もしもダンガンロンパだったら(第二話


恐る恐る体育館へたどり着く私達。
体育館にはパイプ椅子が人数分並べられており、檀上の上には校章の刺繍が縫われた旗が二つとその間にマイクの置かれた台が一つ。
いたって普通の入学式っぽそうな雰囲気が醸しでていた。


琶月
「あれ?普通の入学式・・・?」
キュー
「あー、なーんだー。心配して損しちゃった。」
ヴィックス
「な、言ったろ。あの変な放送も学園が企画したオリエンテーションの一つだってな。」

果たして本当にそうなのだろうか・・・。

琶月
「(この違和感・・・私だけ・・・?)」

・・・そうだ、この違和感。入学式だというのに、ここの生徒も先生もまだ誰一人すれ違っていない。
いるのは私達だけ。これも学園が企画したオリエンテーション・・・?

ボロ
「ブラウザバックして第一話確認したけど言ってないんすけど。」
ヴィックス
「今から俺が改ざんしてやればいいんだよ!!」
キュー
「それ以上の発言は止めた方が身のためだよ。」

琶月
「(心配しているのは私だけなのかな・・・。)」

呆れつつも再び檀上へと目をむける。

琶月
「・・・ん?」

・・・さっきまでマイクがあった場所に何か変なのがいる。
白と黒の・・・左半分が真っ白で・・右半分が真っ黒のクマみたいな何かが・・・。

琶月
「・・・・・。」
モノクロのクマ
「あれあれ?」
琶月
「な、な、なんかいるーーー!!!!!」


大声を出してモノクロのクマに指をさした。
一斉に周りのみんなも私が指差した場所へ目を向け、同様にそれぞれのリアクションを見せた。

ヘル
「あ?なんだありゃ?」
輝月
「なんじゃ、ただのぬいぐるみではないか。」
モノクロのクマ
「ぬいぐるみじゃないよ!!」
琶月
「で、でええええええええ!!ぬいぐるみがう、動いたぁぁっっ!!!」
ディバン
「落ち着け。ラジコンか類の何かだろう。」
ルイ
「オカルト的な可能性も考えられません?」
キュピル
「・・・やけに嬉しそうに言うな。」
モノクロのクマ
「ぬいぐるみでもラジコンでも、オカルトないよぉ!!僕はモノk・・・」
ヴィックス
「わかった!!俺が当ててやろう!!モノクロのクマ!略してモノクマだな!!」
モノクマ
「・・・・・。」
ボロ
「まじ?隊長まさか当てたんすか?」
ガムナ
「インチキだぁっ!!!」
キュー
「ちょっと黙って。」

モノクマ
「しょぼーん・・・。僕の一番大事な見せ場をそこの右翼に盗られちゃったよ・・・。あーあ・・・落ち込むなぁ~・・・。」

檀上の上で体を横にゆさゆさと揺らしながら落ち込む姿をアピールする。
仕草は妙に可愛いらしいが右半分は真っ黒かつ右目はデビルのような恐怖心を煽る恐ろしい目をしているせいで仕草一つ一つに不気味さが増している。

琶月
「あ、あのー・・・。元気出してください?」
モノクマ
「あのねー!!そんな程度で落ち着く僕だと思ったの!?そうやって僕を見下して優位に立つつもりだったのかー!」
琶月
「うぇっ!!?何か凄い逆切れされた!!!」
ギーン
「おい。時間の無駄だ。・・・早く進めろ。」

ピシャリとその場の空気が流れた。

モノクマ
「んじゃ、時間も押してるしさっさと入学式、始めちゃおうね。僕の名前はモノクマ!この学園の学園長なのだ!!」
琶月
「が、学園長・・・?」
ヘル
「へっ、ぬいぐるみが学園長だってよ。笑わせてくれる!!」
モノクマ
「ぬいぐるみじゃないよ!モノクマなんですけど!!それも学園長なんですけど!」
ギーン
「いいから進めろ!」

低い声で凄むギーンに、再びみんなが口を閉じた。

モノクマ
「怖いなぁー・・・。でも、進めないと物語も進まないもんね。今度こそ始めるよ。
起立!例!おまえら、おはよーございます!」

おもむろにモノクマが姿勢を正すと、姿勢よくお辞儀をした。

ファン
「おはようございます。」

長い首だけ動かしてお辞儀っぽい動作を行うファン。

ルイ
「真面目ですね・・・。」

その場でお辞儀(?)をしたのは勿論ファンだけであった。

モノクマ
「えー、お前らのような才能あふれる高校生は世界の希望の他なりません!そんな素晴らしい希望を保護するため、この学園はある一大決心を決めました!!」
テルミット
「一大決心・・・だって?」
ヴィックス
「まさか!!酒池肉林か!!」
ガムナ
「女地肉林さいこー!!」

すぐにキューと輝月と琶月がヴィックス、ガムナ、ボロを突き飛ばして転倒させゲシゲシと踏み始めた。
ジェスターに至ってはどこからともなく取り出した鉄の棍棒で三人のお腹にガンガン振り落としている。

ボロ
「ちょwww俺何もいってねーっす!!!!!ぐぇっ!」
モノクマ
「ちょっと!人の話ちゃんときいてんのー?おまえらにはこの学園内だけで共同生活を送ってもらいますって言ってんだよ!?」
ヴィックス
「あー、そうですかー。」
ガムナ
「共同生活ですかー。」
ボロ
「可愛い子と同じ屋根一つで寝れるなんて・・・」
三馬鹿
「サイコー!!!」


三人口をそろえながら叫び、再びキューと輝月と琶月とジェスターが三馬鹿をゲシゲシと踏み始めた。

ルイ
「ちょっと待ってください・・・。今、学園内『だけ』でって仰いましたか・・・?」
モノクマ
「お、流石超高校級のメイドだね。えら~い人の言葉にはちゃんと耳を傾けてる。
そう!おまえらには、この学園内だけで過ごしてもらいます!その期限はなし!つまり、おまえらは一生ここで暮らすのです!」
ヴィックス
「あー、そうですかー。」
ボロ
「学園内だけで一生共同生活ですかー。」
ボロ
「本当にありがとうございまs・・・って・・。」
三馬鹿
「でえぇええええええええ!!!????マジィッ!!?」


それは三馬鹿に限らず、ルイや他のみんなも同様に驚きの声をあげていた。


ルイ
「ど、どういうことですか・・・?」
テルミット
「一生・・・ここで・・って・・・。」
モノクマ
「あー、心配しなくても予算は豊富だから、お前らに不自由はさせないから安心していいよ。」
ヘル
「そういう事じゃねーよ!!」
ディバン
「待て。・・・この学園中の窓に打ち付けてある鉄板・・・。そして正面玄関にある巨大な鉄の扉は俺達を閉じ込めるためにやったと言うのか?」

モノクマが大きく頷いた。

モノクマ
「そう!だからいくら叫んだところで助けなんて来ないよ。」

ヴィックスが腕を組みながら深刻そうな表情を浮かべる。

ヴィックス
「あぁ・・・まいったなぁ・・。超楽しみにしてたエロゲー、まだプレイしてねぇーんだよな・・・。」
ボロ
「隊長、忘れてませんか?俺達を不自由にはさせないらしいっすよ!」
ガムナ
「そうか!!女池肉林か!!!」

再び女性三人に殴られ踏まれたのは言うまでもない。

モノクマ
「もぉ、おまえらみたいな高校生は性欲の塊だね!ペットボトルにでも欲情しちゃうんでしょ?。でもね、ここではそんな不純行為。校則として認めていませんっ!!」
ファン
「校則は守らなければいけませんね。」
ヘル
「あぁ?校則だと!?俺達を学校に閉じ込めておいて何が校則だ!俺は知らん、こんな学園。今すぐにでも出てってやる!!」
輝月
「こやつの意見に同意するのは癪に障るが、ワシも同じだ。すぐに立ち去らせてもらう。」
琶月
「あ、師匠が出ていくなら私も出ていきます~♪」

私は師匠の腕にしがみ付いたが、すぐにひじ打ちを鼻に喰らい私は鼻を押さえながらその場にうずくまった。

モノクマ
「うぷぷ。出れるもんなら出てごらん。君たちは、武器も何も使わずにあの鉄板を打ち破れるのかな?」

ヘルも輝月も歩みを止める。
二人も流石に打ち破れるとは思っていないらしい。

ギーン
「馬鹿が・・・。まさか本気で突き破れるとは思っている訳じゃないだろうな?少なくとも、あの鉄板はたとえダイナマイトを使った所で傷一つつかないだろう。」
輝月
「どうしてそう言い切れる!」
ギーン
「嘘だと思うなら試してみろ。だが、俺の目に狂いはないとだけは言っておくぞ。」

モノクマが突如大声で笑い始めた。

モノクマ
「ギャッーハッハッハッハッ!でも、そんなお前たちのためにあるルールを設けてあるんだ。」
ディバン
「ルールだと?」
モノクマ
「そう!この学園を出たいと思っている人にあるルールを設けました。」
ヘル
「おう、早く良いやがれ。速攻でやってやるよ。」
モノクマ
「うぷぷぷ・・・。ここから出るためのルール。それはここにいる誰か一人を殺す事。それだけの簡単なルールなのです!」
ヘル
「なっ・・あっ?」

流石のヘルも躊躇いを見せた。勿論、ヘルだけでなく全員が深刻そうな表情を浮かべた。

モノクマ
「殴殺刺殺撲殺惨殺焼殺圧殺絞殺銃殺。殺し方は問いません!うぷぷぷ、こんな脳汁ほとばしるドキドキ感は、シャケや人間を襲う程度じゃ得られませんなぁ。
希望同士が殺しあう絶望的なシチュエーションなんて、ドキドキするぅ・・はぁ・・はぁ・・・。」

信じられない、本気で言っているのかこのクマは?

ヴィックス
「まじかよ・・・。」
ルイ
「どうして、私達が殺しあわなければいけないんですか!!」
キュー
「そうだそうだー!!ふざけた事ばっかり言いやがってーー!!私達を早く家に帰せー!!
モノクマ
「ばっかり?」

モノクマのデビルのような目がキラリと赤く光った。

モノクマ
「ばっかりって何だよばっかりって。いいか?これからはこの学園がお前らの家である社会であり世界なんだ。やりたい放題やらしてやるんだからやってやってやりまくっちゃえーっつの。」
ヴィックス
「や、やりまくっていいんか!?はぁはぁ・・。」
ガムナ
「ヒャッハーーー!!!!」

今度は女性三人に限らず男も何人か混ざってヴィックスとボロとガムナを突き飛ばし踏みつぶしたり蹴ったりし始めた。

ボロ
「だから俺何も言ってねーっつの!!!」

モノクマ
「・・・流石の僕も君たち三人みたいな子は見たことないよ。・・・・ん?」

三馬鹿に徐々に歩み寄っていくモノクマだがそのモノクマの前にヘルが立ち塞がった。

ヘル
「殺し合いをしろだあぁ?あぁぁ!?てめぇの悪ふざけは度が過ぎるぞ!!」
モノクマ
「悪ふざけだって?それって、君の馬鹿力の事言ってるの?馬鹿がついてるから頭も馬鹿なの?」

ブチッ。そういう音が聞こえてきそうな程、ヘルが怒り始めた。

ヘル
「くそがぁっ!!ラジコンだろうがぬいぐるみだろうがオカルトか何かだろうが、バッキバキに捻りつぶしてやる!!!」

ヘルがモノクマを片手で持ち上げるとギリギリとモノクマの首を握りつぶし始めた。

モノクマ
「ぎゃぁ~~!!学園長への暴力は校則違反だよ~~~!!」
ヘル
「知るかっ!!ぶっ壊してやる!!!」

すると突如。モノクマのデビルのような目がピカピカと光はじめ警告音も発し始めた。

ヘル
「な、なんだ?」
キュピル
「おい!そいつを早く投げろ!」
ヘル
「あぁ?」
キュピル
「いいから早く!死ぬぞ!」

ヘルが一瞬判断に迷ったが、すぐに警告音を発し続けるモノクマを体育館の隅へ放り投げた。
物凄い勢いで体育館にも張り付けられている鉄板へと飛んでいくと、ちょうど鉄板にぶつかった瞬間大爆発が起きた。
爆音と熱風が爆風に乗って私達全員に襲い掛かる。

琶月
「うっ!」

両腕でガードのポーズを取る。
・・・しばらくして、放り投げられたモノクマの方へ目を向けるとそこには傷一つついていない鉄板だけがあった。

ヘル
「な、何だよ・・・今の・・・。ば、爆発・・しやがった・・。」
ジェスター
「あのモノクマっていう人形・・・死んじゃった・・・?」

『だからぁ、ぬいぐるみじゃなくてモノクマ!』

檀上から再びモノクマの声が聞こえ、全員そっちへ顔を向けた。
するとそこにはモノクマが再び檀上の上に立っていた。

モノクマ
「今のは警告だけで許すけど、校則違反者を発見した場合、今みたいなグレートな体罰を発動しちゃうからね!!」

誰も言葉を発せられずにいた。

モノクマ
「さてさて、それじゃ君たちには電子生徒手帳を渡さないとね。」
ファン
「生徒手帳がなければ電車通学のための定期代が高くなってしまいますから助かりますね。」
ディバン
「今はどう見てもそういう状況じゃないだろう。」
キュー
「外に出れないんだから電車通学も何もないでしょ・・・。」

モノクマがどこからともなく、スマートフォンのような物を人数分取り出し皆に配り始めた。

モノクマ
「じゃーん!!どうどう?カッコいいでしょー?スイッチを入れて起動すると自分の名前が出てくるから、合ってるかどうか確認しておいてね~。
その電子生徒手帳はこの先の学園生活において重要な役割を果たすから絶対に失くさないようにしてね。
それと、電子生徒手帳に校則が書かれているから必ず一度は目を通すように!おしおきされたくなかったらね。」

モノクマが全員に電子生徒手帳を配り終えるまで誰も言葉を発しなかった。

モノクマ
「ではでは、入学式はこれで終了となります。豊かで陰惨な学園生活をどうぞ楽しんでくださいね~。うぷぷぷぷぷぷ。」

それだけ言うと、モノクマは素早く何処かに移動して居なくなってしまった・・・・・。

・・・・沈黙。

数分間、沈黙が続いた。
電子生徒手帳を弄る者、誰かが今の話を鵜呑みにしていないか疑いのまなざしを向ける者、何も考えていなさそうな者・・・・。
私はこの沈黙に居た堪れなくなり、電子生徒手帳を弄り始める。

電源ボタンを押すと、一番初めに自分の名前が表示され次にメニュー画面が表示された。
学園内の地図やメモ書き、それと校則について何時でも見られるようになっていた。

琶月
「(校則・・・確認しておかなくちゃ・・。)」

さっきみたいな目には絶対に会いたくない・・・・。
私は校則とかかれているボタンをタップし、一つずつ確認を始めた。


1、生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません

2、夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3、就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4、希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。
  特に行動に制限は課せられません。

5、学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。
  監視カメラの破壊を禁じます

6、仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。

7、なお、校則は順次増えていく場合があります。


琶月
「(これが校則・・・。)」

校則からいくつか読み取れる事は、モノクマは本気で私達をこの学園内に閉じ込めさせようとしている事だ。
私が校則に書かれている事を全て理解する前に、師匠が声を上げた。

輝月
「・・・この中の誰かを殺せば、ここから出られる。そういうことじゃな?」
ヘル
「て、てめぇ・・・。まさか本気で殺そうと考えている訳じゃねーよな?」
琶月
「し、し、師匠がそんな事する訳ないじゃないですかぁ!!!」
ルイ
「う、嘘ですよね・・・こんなの・・・。」

それぞれ思い思いの事を口にする。
殆どは今の状況に対する不安点を口にして言っているが、一人だけ本質部分を指摘する。

ギーン
「嘘か本当かが問題ではない。俺達の中にその話を本気にするやつがいるかどうかだ。」

沈黙以上に最悪な空気が流れた。

誰もが、それぞれに疑いの目を向けている・・・。
まさか・・・・誰かを殺してまでここから出ようとなんて思っている人は・・・いないよね?

ガムナ
「い、言っておくけどな・・・!俺は別にここから出ようとなんて1ミリも思っちゃなんかいねーからな!」
ヴィックス
「はぁ・・。あのエロゲーだけがマジで心残りだなぁ・・。でも人を殺してまでじゃねぇ・・・。」
テルミット
「ぼ、僕だって誰かを殺してまでここから出ようなんて・・・。」
琶月
「わ、私も私も!!むしろ私は師匠と一緒に暮らせるならタンスの中だって暮らせます!!!」
ルイ
「よ、よかったぁ・・。みなさん、誰かを殺してまで出たいだなんて、思いませんよね?」
ギーン
「断っておくが、俺はここから出るぞ。」

せっかく空気が持ち直しつつあったのに、また冷たい空気が場に流れた。

ジェスター
「・・・・・・・・・・。」
キュー
「ど、どうしてそんな事言うの!!」

キューが一歩前に出てギーンを問い詰めた。

ギーン
「俺はお前等みたいな低脳と戯れる時間はない。俺にはこの世界を引っ張っていく義務があるからな。」
ジェスター
「何か偉そうだね。気に食わない。」
ギーン
「そりゃそうだろ。俺は偉いのだからな。」
ディバン
「そこまでだ。ギーン。お前は俺達を挑発して何か得られるメリットでもあるのか?ないだろう。それなら早く立ち去りここから出る準備でもしろ。」
ギーン
「そうさせてもらおう。せいぜい、俺に殺されないよう気を付けるんだな。」

それだけ言うとギーンは体育館から出て行ってしまった。

キュピル
「・・・悪いが、俺も失礼する。やることがある。」

殆ど口にしていないキュピルも、珍しく口にしたがあまり望ましい返答ではなかった。

ヘル
「ちっ、くそ・・・。人殺しだとか道理に外れた事する奴がいたら俺がぶっ殺してやるっ・・・!!」
テルミット
「あ、あのさ・・それ矛盾していないかな・・・。」
ヘル
「あぁっ!!?」
テルミット
「凄んでも僕は怯まないよ。」
ヘル
「・・・・やるじゃねーか。」
輝月
「さて、ワシもここから出る準備でもしよう。」
琶月
「え・・・?し、師匠!それってまさか殺す準備だとか言わないですよね・・・・!!?」
輝月
「好きに想像するが良い。だが、ワシはここで一生を過ごすつもりはない。ワシには先祖から受け継いだ道場を守る義務がある。」

体育館を後にしようとする輝月の前にヘルが立ち塞がる。

ヘル
「てめぇ、覚えて置け。誰かを殺そうとするなら俺が半殺しにしてやる!!」
輝月
「ふっ、貴様にワシを殺せるとでも?」
琶月
「わあああああああ!!!!二人とも喧嘩はやめてください!!!!!!!」

一触即発状態な二人の間に私は飛び込んだ。しかし・・・。

ヘル
「っるせぇっ!!!」

次の瞬間、ヘルのフックが私のコメカミに当たり吹き飛ばされた。









期待を胸に膨らませてやってきたこの学園は希望の学園じゃなかった。

絶望の学園だったんだ・・・。

そんな事を思いながら、私は意識を失った。



続く


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